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神社音楽とは

 「神社音楽」は、神社の音楽すなわち神社祭祀に関する一切の歌舞音楽を総括した名称のことです。

多忠朝は、神社で奉奏される音楽は、敬神崇祖のためにも神聖でなくてはならないと考えていました。なぜなら神社の祭典は、精進潔斎し清浄な状態で執り行うからです。

神社の神聖さを表す音楽というものが、日本古来からの歌舞音楽である声楽・歌曲であると述べています。

声楽は本来の雅楽の1つの形式です。

本来の雅楽の形式を「多忠朝」は、次のように分類しています。


本来、雅楽というのは総括した名称であり、次の3つの形式に分類できる。

声楽、器楽、舞楽

  • 声楽は歌詞を主体とした楽。神楽、東遊、倭舞、大歌、催馬楽、朗詠
  • 器楽は楽器を主体とした楽。唐楽、高麗楽
  • 舞楽は舞を主体とした楽。左方舞、右方舞。左方舞‐唐楽(印度・支那) 右方舞‐高麗楽(朝鮮)。

多くの人が雅楽と認識している雅楽は多忠朝の分類で言うところの唐楽になります。

この中で、声楽だけは神代から続く純粋な日本の音楽であるため、神社音楽としてふさわしいと「多忠朝」は述べています。


さらに多忠朝は、神社音楽を次のように分類しています。

  • 祭祀楽
  •   神社祭式における、開閉扉の儀、神饌献撤の儀、降神昇神の儀、遷座渡御の儀等に関する音楽を示す。

  • 奉納歌舞音楽
  •   祭典に際し、神饌を供え、祭典の要旨を御神霊に御報告申上げたのち、御神慮を慰め奉つるために奉納する歌舞音楽を示す。

このとき奉納する神楽を神前神楽と呼びます。

以上の2種類を「神社音楽」としています。